LAN配線工事の種類について ①ケーブルの種類
今回はLAN配線工事の種類について解説していきます。第1回ではケーブルの種類、第2回では配線工事の工法について解説していきます。
こんにちはブログ担当のすずシーサーです。
☆この記事を読むとわかること☆
・LANケーブルって何?
・LANケーブルの種類と価格について
〇Cat5eケーブル
〇Cat6ケーブル
〇Cat6Aケーブル
〇Cat7以上のケーブル
・LANケーブルって自分でも作れるの?
・LANケーブルの利用可能な年数
・最後に…
【LANケーブルって何?】
まず初めにLANケーブルについて説明します。LANケーブルとはインターネットなどを利用する際にパソコンやルータなどのネットワーク機器と接続するためのケーブルのことです。LANはLocal Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略で主にインターネットに接続されないネットワーク(内部用)のことを言います。インターネットに接続されるネットワークはWANと言いWide Area Network(ワイドエリアネットワーク)となります。少し深堀すると、パソコンやHUB(LANの分配器のようなもの)はLANで接続され、インターネットに接続するための機器であるルーターはWANとLANの両方が接続されます。


【LANケーブルの種類と価格について】
LANケーブルにはいくつかの種類があります。種類によって通信速度が異なり用途に応じてケーブルを選定することになります。もちろん、速い速度のケーブルに越したことはないのですがその分コストがかかりますので必要に応じたケーブルを選定することが重要です。またLANケーブルの表記としましてCatと記載されるカテゴリーで区別されています。読み方は「カテゴリー」です。通信速度にはGbps(ギガビーピーエスまたはギガビットパーセカンド)、伝送速度にはMHz(メガヘルツ)・GHz(ギガヘルツ)が利用されます。最大通信速度は通信できる最大の速度が示され、1Gbpsの場合は1秒間に125MB(メガバイト)のデータを送信できます。伝送速度は同時に通信できる速度が表示されます。伝送速度が大きくなればなるほど、同時に通信できる端末の数が増える認識でいると良いかと思います。伝送速度は難しいのでここでは簡略して説明しています。興味があれば後半に記載していますのでそちらをお読みください。

・Cat5eケーブル
Cat5eケーブルは最大通信速度が1Gbpsでもっとも普及しているLANケーブルで非常に安価なのが特徴です。伝送速度は100MHzとなります。価格は3mケーブルで700円くらいで販売されています。一般家庭ではこのタイプのLANケーブルで事足りますが、光回線が1Gbps以上に対応している回線を利用する場合は後述するCat6AのLANケーブルを選定してください。
・Cat6ケーブル
Cat6ケーブルは最大通信速度が1GbpsでCat5eの次に普及したLANケーブルです。最近の建築基準ではこちらのCat6ケーブルを利用することが多くなりました。伝送速度は250MHzです。価格は3mで1500円くらいで販売されています。
・Cat6Aケーブル
Cat6Aケーブルは最大通信速度が10Gpbsで非常に高速なLANケーブルです。最近では通信料が増大傾向にあるためこちらのケーブルが普及が始まっています。伝送速度は500MHzです。またCat5e、Cat6に比べて対ノイズ性能が向上しておりケーブルが太くなります。主に企業のオフィスや10Gpbs対応の光回線などを利用しているユーザーで利用されます。価格は3mで2000円くらいで販売されています。

Cat6Aの場合はケーブルの内側にアルミ箔がまかれており、対ノイズ体制が高くなっております。Cat5e、Cat6のケーブルではこのアルミ箔がありません。
・Cat7以上のケーブル
Cat7~Cat7Aは最大通信速度が10GbpsでCat6Aと同じです。伝送速度がそれぞれ異なります。Cat8は40Gbpsまで通信することが可能です。また対ノイズ性能が高くケーブルも太いです。主にデータセンターなどで利用されます。家電量販店に売られているLANケーブルはほかのLANケーブルと同じコネクタの形状(RJ45コネクタ)をしておりますが、本物のCat7以上のLANケーブルはGG45コネクタやTERAコネクタを利用するため注意が必要です。家電量販店に売られているケーブルに交換しても性能向上の変化は感じられないでしょう。

【LANケーブルって自分でも作れるの?】
LANケーブルは工具が意外と簡単に作ることができます。特にCat5eケーブルの場合はパソコン系の高校などで作ったりすることもあるくらいなのでそこまで難しくはありません。工具にはRJ45用の圧着ペンチとカッターとニッパーがあれば作ることができ、材料はLANケーブルとRJ45コネクタがあれば作ることができます。工具や材料はパソコンショップなどで売られていることが多いです。ただ、Cat6やCat6AケーブルはRJ45のパーツが複雑になりケーブルを作るのが難しくなります。また材料はパソコンショップなどでは取り扱っていないため個人で作るのは難しいかと思います。家電量販店で作られているケーブルを購入するか、LAN配線工事屋さんに依頼することをお勧めします。また、Cat7以上のケーブルに関しては自分で作ることはできず、長さを指定して工場で作成してもらう必要があります。
ケーブルの作成後はケーブルの試験が必要となり、LANケーブルの簡易テスターやLANケーブル専用試験機を利用する必要があります。簡易テスターの場合はケーブルの線のペアがあっているかだけを確認するもので、断線やケーブルの順番などを確認するテスターです。専用の試験機では通信試験まで行います。ちゃんと伝送速度が出ているか、損失がないかなどを確認します。Cat6A以上のケーブルの場合は専用の試験機で検査することをお勧めしています。弊社ではCat6ALANケーブルの施工後にフルークと呼ばれるメーカーの測定器を利用しております。フルークを利用することによってLANケーブルの性能に問題がないか確認するとともに、試験成績書を出すことができますのでお客様も安心してケーブルを利用していただくことが可能です。

※フルーク試験のイメージ
【LANケーブルの利用可能な年数】
LANケーブルには具体的な利用可能な年数は記載されておりません。そこで参考にする指標の一つとして耐用年数というものがあります。こちらは会社の資産管理(おもに減価償却)の際に利用するものですが、〇〇年利用するとそのものの資産価値はゼロになるというものです。こちらを利用しておおよその買い替えの時期などを確認していきます。
基本的にLANケーブルはサビや腐食、断線などがない限りは長期間利用することが可能です。今回は建物の中に配線されたLANケーブルとパソコンなどの機器を接続する際に利用するLANケーブルで解説します。建物の中に配線されたLANケーブルは基本的に人が触ることがないので長期間利用することが可能です。耐用年数では18年とされています。一方でパソコンなどを接続するLANケーブルは頻繁に抜き差しをしたり、普段人が触れる場所に配線されているのでパソコンの付属品とみなします。パソコンの付属品とみなした場合の耐用年数は4年となります。これはパソコンの耐用年数を参照します。これがスイッチングHUBどうしを接続するLANケーブルの場合はスイッチングHUBの耐用年数を参照し10年となります。
サビや腐食、断線などでLANケーブルが使えなくなってしまった場合はすぐに新しい物に取り換えて、性能などに問題がなく耐用年数もまだ残っている場合はそのまま利用して問題ありません。パソコンやスイッチングHUBに接続されているLANケーブルはその接続されているパソコンやHUBを新しい物に取り換える際に合わせて交換すると安心です。

【最後に…】
今回はLANケーブルの種類について解説していきました。ケーブルにもたくさんの種類があることがお判りいただけたかと思います。次回はLANケーブルの施工の種類について解説していきます。
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