VPN構築:別の拠点を同じネットワークのように通信する方法について

今回は拠点間を同じネットワークにする方法、いわゆる拠点間ネットワーク構築(VPN)についてご紹介します。

こんにちは。ブログ担当のすずシーサーです。

☆この記事を読むとわかること☆

拠点間ネットワーク構築って何?
拠点間ネットワークを構築すると何ができるの?
拠点間ネットワーク構築の種類について
 〇専用線による拠点間ネットワークの構築
 〇インターネットVPNによる拠点間ネットワークの構築
 〇IPv6(NGN)を利用した拠点間ネットワークの構築
拠点間ネットワーク構築に必要なもの
拠点間ネットワークを構築しない場合は…
最後に…


【拠点間ネットワーク構築って何?】

拠点間ネットワーク構築とは、別々の拠点のネットワークをさも同じ拠点の中にあるように構築することです。VPNと呼ばれる仕組みを利用して構築することが多いため、拠点間VPN構築や拠点間VPN接続と言ったりもします。VPNは「Virtual Private Network(バーチャルプライベートネットワーク)」の略称で仮想専用通信網のことです。わかりやすく説明すると、会社のオフィスが本社と支店で分かれている場合に、本社と支店のネットワークを結ぶことを拠点間ネットワーク構築と言います。

【拠点間ネットワークを構築すると何ができるの?】

先ほど説明した通り、拠点間を同じネットワークにするとその拠点間でデータの通信ができるようになります。ここでは本社と支店間での通信だと想定して話を進めます。例えば本社にあるファイルサーバーや業務管理システムに支店からアクセスしたり、支店にある防犯カメラの映像を本社から確認したり、ビジネスホンを連携することで本社と支店で内線を構築するなど離れた場所をひとまとめにすることが可能となります。これにより個別にサーバーを設置したり、制御装置を両拠点に置くといったコストを削減することが可能です。

【拠点間ネットワーク構築の種類について】

拠点間ネットワークを構築するにはいくつかの種類があります。それぞれの特徴や費用などについて解説していきます。

・専用線による拠点間ネットワークの構築
こちらは専用線と呼ばれる回線を利用して構築する拠点間ネットワークで、一番品質が良い反面で導入までの時間が長かったり、コストが高くなります。専用線は拠点間を光回線などを利用して直接1対1で接続する方式で専用線の維持コストが非常にかかります。回線速度を選ぶこともでき帯域が保証される帯域保証型のサービスです。主に銀行のシステムや大手企業のサービスを運営するために利用されることが多く、一般企業ではあまり利用されません。距離が遠くなればなるほどコストも高くなり毎月の支払いも回線維持費だけで10万円以上となります。ほかにもルーターなどを準備する必要があります。品質が高くセキュリティも高いためコストが高くなります。

・インターネットVPNによる拠点間ネットワークの構築
こちらはインターネットの回線を利用した拠点間ネットワークの構築でプロバイダを介して拠点同士を接続するものです。インターネット回線の固定IPサービス(グローバルIPアドレス)を利用するものと、DDNS(ダイナミックドメインネームサービス)を活用する2種類があります。既存の光回線とプロバイダを利用できるので利用開始までの期間が短く、ランニングコストもそのままで利用することができます。別途VPNルーターは必要です。メリットはコストが安く、短期間で構築できることです。一方でインターネットの速度に影響されるベストエフォート型(帯域は補償されない)のため通信の品質を保つことはできません。またカメラの映像などで通信をたくさん利用するとプロバイダから帯域制限(速度制限)をかけられる可能性もあるため、導入前に利用用途を確認しておくことが必要です。

・IPv6(NGN)を利用した拠点間ネットワークの構築
最近はこちらが主流になっております。NGN「Next Generation Network(ネクストジェネレーションネットワーク)」と呼ばれる次世代ネットワークであるNTTの光回線のIPv6折り返し機能を利用した拠点間ネットワークの構築で、NTTの光回線があれば追加の費用無しで利用することができます。この方法はインターネット回線を利用しないためプロバイダの速度に影響されず、比較的安定して通信が可能です。今のところ帯域が制限されることもありません。しかし近年は通信のひっ迫によりIPv6折り返しにも速度の影響が出ているため必ずしも高速に利用できるわけではありませんが、プロバイダを利用したインターネットVPNよりも安定して利用することが可能です。比較的新しい技術のため対応できる業者は少ないのが現状です。IPv6に対応したVPNルータを別途用意する必要があります。

大まかにまとめると価格面では(コスト安)IPv6VPN > インターネットVPN > 専用線(コスト高)となり、品質面では(高品質) 専用線 > IPv6VPN > インターネットVPN(低品質)となります。よって、弊社では主にIPv6での拠点間ネットワークの構築をメインに行っております。お客様の環境によってインターネットVPNを利用する場合もあります。

【拠点間ネットワークの構築に必要なもの】

拠点間ネットワークの構築に必要なものとして、VPNルーターがあります。このルーターを利用することで拠点同士を安全(セキュア)に接続することができます。機種としてはCISCO 800シリーズ、YAMAHA RTXシリーズ、NEC IXシリーズなどがあります。ほかにもVPNルーターはありますが、一般的に利用されているのはこのあたりです。このVPNルーターをそれぞれの拠点に設置することで拠点間ネットワークの構築が可能となります。価格としましては1台当たり約8万~15万円となります。また専門的な知識が必要になりますので、構築の際はネットワーク業者に依頼することをお勧めいたします。

【拠点間ネットワークを構築しない場合は…】

では拠点間ネットワークを構築しない場合はどうしたらよいでしょうか。普通であれば本社も支店もそれぞれ個別にネットワークやシステムを管理する必要があります。しかし最近ではクラウドに移行するケースが増えております。事務所の中にあるサーバー類などをすべてクラウドにしてしまうというものです。これにより本社や支店に限らずテレワークなど外出先からでも業務システム等にアクセスでき場所に捕らわれず仕事をすることができます。もちろんランニングコストは増大します。クラウド化についてはメリットやデメリットがありますので、システムを管理している業者や専門の業者に問い合わせて見ることをお勧めします。もちろん弊社でもクラウド化に関するサポートは対応可能です。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちら:お問い合わせ

【最後に…】

いかがでしたでしょうか。VPNと呼ばれる拠点間ネットワークを構築することによって、本社や支店といった遠距離を一つのネットワークとすることができます。それにより情報の共有や管理がしやすくなり、業務効率も向上し、設備の追加費用を抑えることができたりします。クラウドの検討以外にも拠点間VPNも検討してみてはいかがでしょうか。沖縄でのVPN構築なら弊社にお任せください。お問い合わせはこちら:お問い合わせ

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