知らなかった!Wi-Fiルーターの選び方
今日は家庭用のWi-Fiルーターの選び方について解説していきます。
こんにちは。ブログ担当のすずシーサーです。
☆この記事を読むと分かる事☆
・家庭用ルーターのメーカーについて
・Wi-Fiの速度について学ぼう!
・お家でWi-Fiを使う端末を数えよう!
・Wi-Fiの選び方(機能、価格)
・余談:業務用の場合は?
・最後に・・・
【家庭用ルーターのメーカーについて】
家庭用のWi-Fiルーターにはいくつかのメーカーがあります。代表的なメーカーとして、バッファロー、エレコム、NEC、TP-LINKなどがあげられます。バッファロー、エレコム、NECは日本国内のメーカーで保証なども充実しており、どの家電量販店でも取り扱いがありますので入手が非常に簡単です。TP-LINKにつきましては中国のメーカーで、日本ではティーピーリンクジャパンが販売しております。TP-LINKは価格が安くネット通販や家電量販店などでも取り扱いがあります。
取り扱っている商品は各社で違いはありませんが、初期設定や細かい設定が可能な機種はバッファロー、エレコム、NECが強く、性能が高くて安いのがTP-LINKといった印象です。

【Wi-Fiの速度について学ぼう!】
Wi-Fiには電波の種類が複数あり、その周波数によって速度の違いがあります。周波数には2.4Ghz、5Ghz、6Ghzの3種類があります。電波にはそれぞれ特徴があり、2.4Ghzは壁などの障害物に強い反面、外部からの電磁波(電子レンジなど)に弱く他の周波数と比べると速度が遅いという特徴があります。5Ghzは通信速度が速いが、壁などの障害物に弱く、気象レーダーなどの干渉により一時的に利用できなくなる制限があります。6Ghzは通信速度が速いが、壁などの障害物に弱い特徴があり、5Ghzのように気象レーダーなどの影響は受けない為、最近では6Ghzをメインに利用することが増えてきました。しかし6Ghzはここ2~3年の間に普及が始まったため、すべての端末で6Ghzが利用できるわけでは無いのでお使いの端末が6GhzのWi-Fi6Eに対応しているか確認する必要があります。(Ghz=ギガヘルツ)

通信速度に関しては、2.4Ghzが600Mbps、5Ghzが1733Mbps、6Ghzが2401Mbpsとなっており、周波数が高くなれば高くなるほど速度が速くなります。この数値はあくまでもWi-Fiの通信規格であり理論上の速度のため電波環境や端末によって通信速度は異なります。また、インターネットの速度とは関係がありませんので注意が必要です。インターネットの速度はあくまでも光回線で利用するプロバイダの速度であって、Wi-Fiを変えたからインターネットの速度が速くなるわけではありません。これは「インターネットの速度 > Wi-Fiの速度」の場合、Wi-Fiを速度の速いものに替えると「インターネットの速度 < Wi-Fiの速度」となり、インターネットの速度をフルに利用できるということです。(Mbps=メガビーピーエスまたはメガビットパーセカンド)
絵を見ていただくと分かり易いかと思います。

ここまでの話を聞いて、6Ghzに対応している機種ならどのWi-Fiルーターを買っても大丈夫だ!と思われるかと思いますが買いに行くのは少しお待ちください。実は機種によって同じ周波数でも速度が異なるのです。これはWi-Fiについてる「アンテナの数」によってWi-Fiの速度は変わっていきます。アンテナは多ければ多いほど速い速度がでるようになります。価格の安いWi-Fiルーターの場合はアンテナは2本(※表記上は2×2)であることが多いです。価格の高いWi-Fiルーターにはアンテナの数が3~4本(※記述上は3×3または4×4)の場合があります。6Ghz対応Wi-Fiルーターでもアンテナ2本の場合は速度が2401Mbps、アンテナが4本の場合は4803Mbpsの速度を出すことが可能となります。アンテナの数が増える分速度は速くなって行きます。じゃあ、一番速度が速いアンテナ4本の機種を買えばいいのか!となるかもしれませんが、機種の選び方についてポイントがありますのでこの後説明していきます。

【お家でWi-Fiを使う端末を数えよう!】
Wi-Fiルーターを購入するにあたって、まずはお家でWi-Fiを利用する端末の数を確認しましょう。例えばスマホ、タブレット、ノートパソコン、テレビ、スマートホーム家電(特にクラウド型防犯カメラ)などです。これらの台数が何台あるか把握することで、必要なWi-Fiルーターのスペックが分かります。台数が多いとWi-Fiルーターの接続台数がオーバーする場合もありますので、この確認は必須となります。

台数を確認した後は同時に利用する端末の数を把握します。4人家族であれば4~6台くらいが同時に利用する台数になるかと思います。特に通信量が多い端末の数を把握することが大事です。ここでいう通信量とは動画の視聴や、WEB会議、オンラインゲーム、防犯カメラの映像(録画がクラウドの場合のみ)などです。それ以外の通信はそこまで大きな通信量は必要ありません。ここから必要な通信量を求めます。1台当たりの通信量は動画やオンラインゲームで利用する場合で50~100Mbpsあると良いので一番大きい値から100Mbpsを基準とします。Wi-Fiの電波効率は周辺の電波環境の影響を受けて減衰(速度が遅くなる)しますので、この100Mbpsを1.5倍して150Mbpsとします。これで電波環境が悪くても100Mbpsは確保できるという計算です。そして台数あたりの数値ですが、6台同時に利用する場合は150Mbps×6台=900Mbps必要となります。なので900Mbps以上の速度に対応している無線LANルーターを購入すると良いです。

【Wi-Fiの選び方(機能・価格)】
先程の計算でWi-Fiを利用するのに必要なスペックはわかったと思いますので、ここから機器の選び方になります。まずは電波の種類ですが、お使いの端末が6Ghzに対応している場合はWi-Fi6E(2.4Ghz、5Ghz(11ax)、6Ghz(11ax))に対応したWi-Fiルーターがお勧めです。しかし価格は一番高くなります。通常はオーバースペックですので購入の選択肢からは外しても良いかもしれません。端末数が多い方や新しいものが使いたい方にお勧めです。その次に価格を抑えつつ速度の速いWi-Fi6(2.4Ghz、5Ghz(11ax))があります。一般的な家庭であればWi-Fi6で十分です。最後にWi-Fi5(2.4Ghz、5Ghz(11ac))があります。Wi-Fi5はワンルーム程度の部屋で1~2人で利用するのに向いており、価格が一番リーズナブルです。※11axと11acの違いは通信方式の違いで11axの方が速度が速いです。
Wi-Fiルーター選定早見表

予算や機能など以外に注意するポイントはWi-Fiの電波が部屋中に届くかという点です。基本的には光回線の近くにルーターを設置しますので、Wi-Fiルーターを設置する場所とWi-Fiを利用したい部屋が同じ場所なのか、もしくは近くの部屋なのか確認する必要があります。ドアや壁(特にコンクリート)の場合は電波の通りが悪くなりますのでWi-Fiを利用する場所に光回線からLANケーブルを伸ばしてルーターを設置するか、Wi-Fiを増設する必要があります。Wi-Fiを増設する際には中継器というものを利用しますが最近はメッシュWi-Fiという機能があるWi-Fiルーターを2台購入することで配線無しでWi-Fiを延長することが可能です。Wi-Fiルーターを取り付けてみて電波が届くか確認し、その後電波が入らないエリアがある場合は移動してみて改善されるか確認します。移動しても改善されない場合は増設の検討が必要です。

【余談:業務用の場合は?】
業務用の場合ですが、インターネットでどんな業務を行うかによってWi-Fi(アクセスポイント)の台数や性能が変わってきます。通常業務の場合はWEBの閲覧やシステムデータ入力かと思いますので、3Mbps~5Mbps程度あれば十分です。その場合は5Mbpsを1.5倍して7.5Mbpsを基準にします。例えば50台くらいのパソコンがあれば7.5Mbps×50台で375Mbpsとなり、Wi-Fi5のAPで十分なように思えますがWi-Fiは電波を利用している観点から同時に接続できる端末に制限があります。Wi-Fiも有線LANと同じように1対1の通信を行っているため、アクセスポイントと端末が通信している間は他の端末は通信待ち状態が発生します。その結果通信待ちが頻発しネットが遅くなったり、途切れたり、通信が出来なくなると言った不具合が発生します。それを回避するためにはアンテナが多い機種を選定したり、アクセスポイントの台数を増やす必要があります。20~25台につきアンテナ2×2のアクセスポイントを1台を用意することで安定した通信を確保できます。アンテナが4×4の機種であれば40~50台程の端末の接続が可能です。ですからパソコン50台が一部屋にある場合はアンテナ2×2アクセスポイントを2台、もしくはアンテナ4×4アクセスポイントを1台準備するといった形になります。部屋が分かれている場合はさらにアクセスポイントの台数を増やす必要があります。

注意点として動画を取り扱う業務を行っている会社の場合はWi-Fiではなく、有線LANで接続することをお勧めします。動画は大容量であることと、端末が増えると通信待ちの頻度が多くなり結果として速度が遅くなり業務に支障が出ます。Wi-Fiで配線が無くすっきりとしたオフィスにあこがれるかもしれませんが、有線LANの方が速度が速く安定するため有線LANで接続するようにしましょう。
【最後に・・・】
いかがでしたでしょうか。なるべく技術的な事も書きつつ、それでいて分かり易い範囲で解説してみました。ポイントはWi-Fiには電波の種類がある事、速度の違いがある事、アンテナの数に違いがあることがあげられます。実はアンテナの数について初心者向けに解説しているところはかなり少ないと思います。このブログを見つけた人はラッキーです。アンテナの数が増えると速度が速くなる、同時に通信できる端末の数が増えるのでこの辺りを頭に入れて機器を選んでみるとよいでしょう。また、お家で配線を延長したい方や、お勤め先でWi-Fi環境を構築したい方がいらっしゃいましたらお気軽に弊社へご連絡ください。お問い合わせはこちら:お問い合わせ
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